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2.「ハンズ・オン・ミニ実践報告」 杉並区立桃井第三小学校 柳瀬 泰 先生 今日は、まだあまり話したくなかったのです。まだ子どもにやらせただけで、自分でもあまり追究していないのです。ただ、入り口として、こういう発想で楽しい問題作りをやっていったらいいんではないかという話を3分ぐらいで、もうちょっとかかるかもしれませんが、軽く話します。 先日、坪田先生が、正十二角形をパターンブロックで作ろうという問題を持ってきました。その問題を学校に持ち帰って、子どもにやらせた方はいらっしゃいますか。高橋先生お一人ですね。さっきおもしろそうだなと言ったのは、その話なのですけれども、そう思ったら、早速子どもにやらせてみる。この問題は何かにおうぞと鼻が利かないと、おもしろい問題は作れないのではないかと思います。実は坪田先生の問題をどこかの先生が子どもにやらせて、正十二角形をいっぱい写真を送ってきました。その問題は坪田先生の問題を使って、きれいな正十二角形がたくさんできましたよというものでした。しかし、それではまるで同じでおもしろくない。そこで、問題をこのようにしてみました。話の順番を間違えました。皆さんに1回正十二角形を作っていただきたいのですが、白12枚と、緑12枚でできますね。ちょっと作っていただけますか。 前回の坪田先生の講演を聞いた方は、自然にこの十二角形ができると思います。ここでひらめいたのは、条件を変えないで、白12と緑12でこれを並べ替えて、同じ大きさの正十二角形ができるのではないかと感じていたのです。しかも相当きれいな形で。そこで、学校に持ち帰り、今日は正十二角形を作ろう。ただし、白12枚と緑12枚以外は使っちゃいけないよと。枝葉末節のそのまた枝葉末節の活動をしました。パターンブロックでは、なるべくたくさん使って、自由に形を作ることが多いですが、このように条件をまったく変えずに作ってみるということですね。今、坪田先生と高橋先生が2つ持ってきてくださいました。とてもきれいですね。私はこれだけなんですが、もうちょっと考えかたかったのですが…。この前坪田先生が持ってきてくれた図形の中で、枚数の条件を変えずにどのぐらいの図形ができるのかなと見てみたかったもので…。子どもが作ったものを見せます(ご自分で挑戦してみてください)。コピー機で撮ることができます。こんなことをやった後で、同じ12枚で正12角形ではなくても違う形を作ってみようと広げてあげる。というように、条件を少し狭めた活動でも、教材によっては、豊かな活動ができるのではないかと。パターンブロックをいくつ使ってもいいよ。その逆で12枚しか使っちゃだめだとやっても、おもしろい問題が潜んでいるかと思いますので、子どもがいる先生は子どもと、学生の方は仲間と楽しんでください。 終わります。 正木先生:すごくおもしろいと思うのだけれど、先程の遠い目標ということを言うと、どういうところを遠くに見ているのですか。 柳瀬先生:だから、とってもやりたくなかったのですが、それは次回に。ただちょっと考えたのは、例えば、子どもたちはこれを作ったときに、実はこれはぐちゃぐちゃでも、何とか中に入り込むのですね。何とかきれいな形にしたいという意識が働いて、きれいな形を作っていくわけです。こういうのを作った後に、きれいな形だと分けて、線対称・点対称などの図形の弁別、観点を見出す学習につなげていくとか、枝葉末節から基礎基本に向かいすぎているかもしれないけれども、もう少し考えさせてください。 坪田先生:さっきの正木先生のには、整数の見方を深めるというのがありましたよね。数についての見方・センスを磨くのはあるけれども、図形は窓と言ったのかな。図形に対するセンスを磨くのならば、これはぴったりだと。 柳瀬先生:うまくないのを作った子どもは、一生懸命並び替えます。自分の中で一生懸命作ろうとします。 高橋先生:パターンブロックバケツ1つでこういう作業ができますし、それこそ正木先生がおっしゃられたような時間でもできます。どの学年でもそれなりにできると思います。この前、坪田先生が作られた正十二角形で、枠があるとやりやすいですね。それがないと大変なのですけれど。でも、正十二角形の枠を描くのは大変なのですね。宣伝になりますが、6月中にそういう枠のとじられたタスクカード集を私が出しますので、使っていただければと思います。 3.「アメリカ、ハンズ・オン事情(NCTM年会参加報告)」 東京学芸大学附属世田谷小学校 高橋 昭彦 先生 この会の名前にもなっている「ハンズ・オン」ですが、先日神奈川の教育委員会から電話があって、「ハンズ・オン・マス」というのはどういう意味でしょうという電話がありました。「ハンズ・オン」というのはアメリカではやっている言葉で、算数だけではなく、総合学習や自然保護、環境問題などの教育場面で使われています。言ってみれば、教科書や文章問題のように紙で表されたものではなく、実際のものを扱うということなんです。大切なのは、ありきたりの教材をぽんと与えてできないところに、「ハンズ・オン」の難しさがある。それをアメリカではどうやっているのか。4月2日~4日、NCTM(National Council of Teachers of Mathematics)という日本の日数教のような数学教育の研究会の年会に参加してきました。どのくらいの人数が参加しているかというと、事前に参加申し込みをした先生が14360人、当日に申し込んだ先生が1710人、教材・教具の展示ブースに参加した業者の方が2125人、合計18195人という方が参加するのです。日本では小学校の教室を使ったりしますが、今回の年会では3つのホテルとconvention centerを使って行われました。分科会が、1188行われています。日本からの参加は難しいのですね。今年は春休みに重なりましたが、2001年のフロリダ(4月5日~7日)までは、4月中旬~下旬に行われます。是非見習いたいのは、すごく参加しやすいのです。日本ですと郵便為替で申し込んだりしますが、インターネット上のホームページから、参加申込書をダウンロードして、それをプリントアウトして、お金の振込みは申込書にクレジットカード番号を書いてFAXで送信すればいいのです。もっと便利なのは、1188も分科会があるので、どんな分科会があるのかわからないのです。当日、この大きな冊子を見ても間に合いませんし、事前にこの冊子を送られても見るのが大変なのです。そこで、ホームページに分科会の要約が入っていて、あらゆる形で検索ができるようになっています。坪田耕三と入力すると、坪田先生が発表したり、助言者をしたり、司会を務めたりする分科会が全部出てくる。何曜日の何時の小学校に関するものでも検索できます。もっといいのは、タイトルの中から、キーワードでも検索できる。試しに、小学校レベルの「ハンズ・オン」を検索してみると、1188のうち16でした。事前にわかると参加しやすいですね。日本でも、日数教大会などでできるといいなと思います。16という数が多いか少ないかは別にしても、「ハンズ・オン」という言葉は、研究の題目としてあるもんだということなんです。研究発表そのものもそうですが、おもしろいのは、先程言った展示会を普通の体育館の4倍のフロアーで、教材会社の人がブースで並べてやっているわけです。実際に机を並べて、その教材に触れてみるコーナーがあったり、ビデオを見せたり、サービスでウレタン製のタングラムを配ったりもしています。ですから、初日に真っ先に、そのコーナーに行きます。NASAのブースもあり、大きなポスターもただでくれます。陸軍のブースでは、数学のできる学生をよこしてくださいなんていうのもあります。教科書・教材会社、それを見ているだけでも飽きません。2000年には日本でもICME-9が行われて、世界中の教材・教科書会社が来て、そういうものを見せてくれると思います。 「ハンズ・オン」の新しい教材は、どんなものがあったのかというと、先程、カタログをどっさり置いておいたので、その中からいくつかおもしろいものを紹介します。パターンブロックはごく当たり前で、それにも新しいものがありまして、ジャンボパターンブロックというのがありました。床に本当に敷き詰められます。それから、パターンブロックの判です。作ったパターンブロックを記録できます。パターンブロックの定規もあります。プラスチック製のパターンブロックもあって、ずいぶん安くなっています。パターンブロックの改良版で、エッシャーの絵をそのまま敷き詰められるものもありました。「イカとエイ」「バナナとサル」「花と葉」「猫と鼠」。テッサゴンズという正多角形を敷き詰めるもの、テッサゴンスターズなんていうのもあり、パターンブロックよりは汎用性が少ないですが、おもしろいです。テッサタイルという星型を真中において、その周りにひし形を並べるもの、十字があったり、厚さ1cmぐらいのウレタン製の形で、種類がかなりあります。立体のものとしては、日本では高いですが、正三角形や四角形のプラスチックの枠を組み上げていって、大きな正四面体を作ったりします。立体や平面に関して、教科書などではなく、実際に作ってやってみましょうというのが強調されていました。 今度スタンダード2000が発表されますが、学習指導要領のように印刷物で出すのではなくて、インターネット上で公開するそうです。印刷物でも出すけれども、それではすべてが表現できないそうです。なぜかというと、その内容をマウスでクリックすると、その授業の様子がビデオで見られるのです。そこで配られるワークシートもダウンロードしてプリントアウトして、使うことができるのです。指導事例、実践事例が全部含まれているのです。文章で表現しきれないものもカリキュラムとして伝えることが必要であるという主張だと思うのです。この秋には、お試し版がNCTMのホームページ上に公開されるそうです。このように紙と鉛筆だけではなく、実際に作業したりすることが強調されてきているわけです。ますます「ハンズ・オン」が重要になってくるんだなと感じました。以上外国の事情でした。 坪田先生:私もその本を見せていただいて、高橋先生に紹介していただいた以外のところでおもしろいものがあったので、紹介したいと思います。知恵の板でタングラムがありますね。タングラムを使った数学の内容があるんですが、その上に、「タングラマス」って書いてあるんです。造語を作ってアピールすることもあるんですね。タングラマスの内容は、長さ、形、合同、相似、対称、面積、正多角形の性質。同じようにProgram Solving with pentomino(正方形を5つつなげた形)の内容が、敷き詰め、対称、面積、周りの長さ、合同、相似。そういう内容を遊びに含めることができると書いてある。新しい指導要領で削除される内容もたくさんあるわけで、この「ハンズ・オン」でやっていることがどう生かされるのかということが最大の課題かと思います。みなさんと工夫していきたい。エッシャーの教材がありましたが、日本でも本屋さんの美術書のコーナーに売っています。それも切って貼って自分で使えるやつがあります。 4.「杉山先生からの得する話」 東京学芸大学教授 杉山 吉茂 先生 会員としてきているのだけれども…。枝葉末節だけではつまらないですね。幹がきちっとあって、幹に枝葉末節がついているから大事なのです。幹は幹だけでは太らないので、パターンブロックなど、算数の教科書に書いていないけれども、いろいろな経験をすることが枝葉だと思うんです。それが幹を強くするという具合に考えて、それを意識するかしないか。我々教師としては、できるだけ意識して指導するというのを、正木先生に聞かせていただいてよかった。今日の題材は、とってもありがたくて、僕一人でこの世界に入っていました。正木先生のお話にはまちがいが1つあって、面積が小さなものでやると、6、24、その次36と言ったじゃないですか。36じゃないんだよね。54になる。それで、幹はどこにつながっていくかというと、今度中学校からなくなってしまうかもしれないけれど、面積比は相似比の自乗に比例するということにつながっている。なぜ6、24、54になるのかと考えさせると、そういうことにつながっていく。今日僕が一番のめり込んでしまったのは、よかったらやってみてください。これをずっと大きくしていくと、正六角形をできるだけ多くするといくつになるのかというのにのめり込んでしまって、一辺が1のときは1でしょ。一辺が2のときは3。一辺が3のときは7、4のときは13、5のときは21、6のときは30個…と僕は、一辺が10までやってみた。10までやったということは、そこにきまりを見つけよう、法則を見つけようという気持ちがあって、その法則がわかってきたので、あとはできそうだなと。そういう算数・数学は知識を覚えるだけではなくて、法則を見つけたり、正木さんの話にも入っていたんだろうけれども、態度も大事だなあと。ちょっとこれきまりが見つからなくて、単純なきまりではないこともわかって、おもしろかった。そういうことをやっていて、ちらちら聞いていて楽しい思いをしました。 5.諸連絡 ・日数教山口大会の運営について 「ハンズ・オン・マス」のコーナーをいただけることになりました。パターンブロックやジオボードなどを手に触れながら、「子どもたちにこういうことをさせたらおもしろいですよ」というコーナーです。以前、東京大会で、坪田先生と一緒に手作り教材のコーナーを開いたことがあるのですが、そこで、先生方の中でご自分の発表をしたり、お世話をしていただける先生がいらしたらお願いしたいと思います。 ・第4回「ハンズ・オン・マス研究会」1998年7月31日について(10:00~16:00)未定 前半は、夏休み中ですので、一人30分ほどの持ち時間で、実践報告会を日数教夏の大会の分科会のような形で運営していきたいと思います。講師・助言者に当たる先生方は、会員としてたくさんいらっしゃいますので、活発な議論ができると思います。今日の柳瀬先生のように、正式な発表でなくても構いませんので、きっかけになるような発表でも構いません。後半の時間を利用して、山口大会の準備打ち合わせをしたい。 ・会の運営について 85人もの会員になりましたので、会場の用意や飲み物を買いに行くなどのお手伝いの幹事を一役かっていただける先生がいらしたらお願い致します。 (文責:岡安寛) (ブログの投稿日は3年ずれています。)
by handsonmath
| 2001-06-20 23:55
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